第三劇場卒業公演「蘖-HIKOBAE-」

脚本松浦達也

演出　山田亞弥

演出補佐　田中彩都

　生きることに絶望した女、望は、サイトで知り合った男、純一と共に練炭自殺をはかる。暗い闇に飲み込まれていく中、白い影が望を包む。

やがて目覚めると、そこは見たこともない不思議な場所だった。

次々と現れる軍人、若い女、子供たち、それぞれが自分たちのペースで話を進めていく。困惑する望たちの前に突如、黒づくめの者たちが現れ、望の命を奪うために襲い掛かってくる。襲われる望を軍人たちは助け、子供や若い女が説教する。そこで、望は彼らが自分の祖先であり、未来の子孫であることに気付く。その事実に気付いた望に告げられたのは、望を襲う黒づくめの者たちの正体と「生命の樹」の存在だった。

「生命の樹」とは、各家系にあり、死した魂、生まれてくる魂が宿る樹である。自ら命を絶つと樹は深く傷つき弱る。そこにつけ込んでくるのが「松くい虫」、望を襲った黒づくめの者たちである。彼らに魂を喰われるとその魂は消滅し、やがで「生命の樹」自体も枯れてしまう。

自分が一命をとりとめていること、共に自殺を図った純一は命を落としていることを知らされ、困惑する望。

このまま死にたいか、もう一度のか、自らの意思を確かめるため、自分の過去と向き合う。そして、望が生きることを望む人々の思いや、生きることの意味を知り、もう一度生きたいと強く望む。祖先やその友人たちの力を借り、松くい虫たちとの闘いに挑む。

　多くの人の力を借りて、息を吹き返した望は今まで気が付かなかった温かい思いに気が付く。

■日時

3月4日(金) 18時〜

　　 5日(土) 13時〜/18時〜

6日(日) 13時〜

※開場は開演の30分前です。

■会場

同志社大学新町別館小ホール

(京都市上京区新町通今出川上ル近衛殿表町159‐1)